橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

東京都の労働セミナー

5月17日の夜、東京都労働相談情報センターの労働セミナーで、「進む労働の二極化:社会階層論・階級論からの接近」と題し、パワーポイントでいろいろ資料を示しながら1時間40分ほど話をしてきました。予想以上の客の入りで、200人近くになったでしょうか。座席が足りず、後ろに椅子を出すほどでした。高齢者が多いのでは予想していたのですが、意外に現役サラリーマンらしい人が多く、熱心に話を聞いてくれました。この問題への関心の高さがうかがえます。終わったあとに出たいくつかの質問もポイントを突いたもので、「格差は拡大していない」という日経のキャンペーンをそのまま信じているような雰囲気はありません。
この講座は三回シリーズで、22日には東京大学の白波瀬佐和子さん、24日には連合の鈴木不二一さんが話をされます。関心のある方は、お出かけください。