橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「雨ニモマケズ」

どんどん進化していく「やきとんひなた」チェーン。今度は、正統派の割烹居酒屋だ。 メニューに並ぶのは、一〇種類ほどの刺身と、素材を生かした日本料理の数々。ふぐ料理、すっぽん料理もある。刺身盛り合わせは、円形の皿に美しく盛られてくる。蟹の甲羅揚…

「立春朝搾り」

以前も紹介した「立春朝搾り」。繰返しになるが、立春の日、日本名門酒会に参加する全国の蔵元が、夜半過ぎから醪を絞って酒にし(これを上槽という)、壜詰する。参加する酒販店も作業を手伝い、出来上がった酒を持ち帰り、その日のうちに売り出す。普通、日…

「銀座ライオン 銀座七丁目店」

この日は、ふと思い立って、池袋から銀座まで歩くことにする。コースは、グリーン大通りから護国寺の前に出て、坂を下って江戸川橋を渡り、その先から早稲田通りに入り神楽坂を通って九段に到り、千鳥ヶ淵、半蔵濠、桜田堀から銀座へ。赤い色で国会を包囲す…