橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2011-09-24から1日間の記事一覧

下田淳『居酒屋の世界史』

こういう本を、誰か書かないかと思っていた。著者は、ドイツの民衆文化史が専門らしいが、その範囲を超え、古代史からイスラム史、中国史、日本史まで文献を渉猟し、居酒屋に関する記述を丹念に拾い上げ、まとめたのが本書。 酒の歴史は人類が文明を獲得する…