橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2011-06-29から1日間の記事一覧

「樽一」の「浦霞・震災酒ノーラベル」

高田馬場で一九五九年に創業し、今は新宿に店を構える「樽一」は、「浦霞」を、初めて東京で紹介した店である。震災後は、蔵元から荷崩れで中身の分からなくなった酒を引き受け、「浦霞震災酒ノーラベル」として出している。中身は純米または純米吟醸クラス…