橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2011-03-03から1日間の記事一覧

大分「みどり」

夜も更けてきた。最後に行くのは、都町屋台街と決めていた。一〇年ほど前、地元の人に連れられて飲み歩き、最後にたどり着いたのがここである。二〇メートルほどの路地の両側に、小さな店が六軒ずつあり、白地に太い墨文字で統一された看板が並んでいる。居…