橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2007-04-26から1日間の記事一覧

「たそがれ酒場」(内田吐夢監督 1955年 新東宝)

一つの大衆酒場の開店から閉店までを舞台に、そこで繰り広げられる多彩な人間模様を描いた作品。カメラは、酒場の内部から一度も外に出ることがない。いくつもの短いストーリーが並行して展開されるが、主役級といえるのは、絵を通じて戦争に加担した責任を…