橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2006-09-05から1日間の記事一覧

日本酒場通史 『酒場の誕生』 

編者は、酒食についてのエッセイで知られ、長野県で農場とワイナリーも経営する玉村豊男。執筆陣は海野弘、森下賢一、枝川公一など。なんといっても、冒頭におかれた海野弘の「江戸の酒場繁昌記」が圧巻である。八世紀半ばにはすでに酒場らしきものがあった…