橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

松原「うおのそら」

classingkenji2012-09-04

今日は聖心女子大での集中講義の最終日。食事は自宅から近いのに、なかなか行くことができなかったこの店に予約を入れた。魚と日本酒が美味いと、一部で評判になっている店である。
魚のメニューは日替わりで、すべてに産地が記してある。今日の魚は気仙沼産のかつお、須崎産の金目鯛、富山産の白えび、北海道産の天然あわびに天然ほやなど。最初にいただいた刺身の盛り合わせは、こち、さば、かつお、白えび、たこ、さざえの六種類。どれも美味しく、見た目も美しい。天然ほや(八八〇円)は、ほやにしては高いと思ったが、臭みの一切ない、純粋にほやの個性の味わえる逸品だった。日本酒は結人、群馬泉、至、田酒、そして壁に貼り出された日替わりが而今、山形正宗、王祿など。厳選されていて、保存状態もよく、日本酒の醍醐味が味わえる。しかも、純米・純吟クラスが一合徳利で八〇〇円前後と安い。
惜しいのは、経堂の範囲内とはいえ、自宅から歩くと二五分ほどかかること。もう少し近かったら、毎週でも通うところだが。東急世田谷線松原駅のすぐそばにある。(2012.8.3)

世田谷区赤堤4-1-1
17:00〜23:30(日曜15:00〜22:00) 月休