橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

金町「ブウちゃん」

classingkenji2009-11-09

本日のしめくくりは、この店。金町駅南口の前の通りを、亀有方向に少し戻った場所で、赤いテント看板が目立つので、すぐ分かる。
店内は長いコの字型カウンターのみで、二五人くらい入れるだろうか。ちょっと雑然とした雰囲気だが、下町らしいゆるやかな活気がある。モツ焼はレバ、シロ、ハツ、ナンコツ、大ガリ、タン、ガツ、コブクロ、アブラと揃い、一本八〇円と安い。シロとカシラをタレでいただいたが、色鮮やかな仕上がりで、フレッシュな素材の味を感じる。その他、トマト、おしんこ、もやしキムチ、とろろめかぶ、ごま和えなどの野菜ものが三〇〇円均一。酎ハイは二八〇円で、リンゴハイ、シークワサーハイなどが三〇〇円。
金町への小さな旅は、これでお開き。駅への帰り道に、軽トラックを改造したやきとりの屋台があり、若い夫婦と子どもの親子連れが焼き上がるのを待っている。モツ焼文化が、根を下ろしている。北千住や立石のようなスター級ではないけれど、大衆酒場好きなら、たまに寄ってみたい町である。(2009.10.20)

葛飾区金町5-17-5
16:30〜22:00 日祝休