橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2009-02-27から1日間の記事一覧

「砂の器」(野村芳太郎監督・一九七四年)

国鉄の蒲田操車場で、初老の男の死体が発見される。足を棒にして歩き回る、地道な捜査を続けるのは、丹波哲郎と森田健作。犯人は、天才的な作曲家兼ピアニストとして注目され、政権与党の大物の娘との結婚を控える加藤剛(作曲家の名前としては和賀英良)。加…