橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

金沢「酒屋 彌三郎」

classingkenji2018-09-17

ザルツブルク音楽祭から帰ったのもつかの間、能登杜氏組合の夏期研修会で講演を頼まれていたので、石川県へ。途中立ち寄った金沢で、入った店がここ。古民家を利用した和食の店である。
コースを頼んでいたので、料理のメニューは見ていないのだが、日本酒は「快」「華」「和」「醇辛」の四タイプに分けられていて、全部で十二種類がメニューに載っていた。たとえば「快」には「竹葉」、「華」には「雪の茅舎」、「和」には「遊穂」、「醇辛」には「五本槍」など。冷蔵庫には、他にも何種類か。ワインも何種類か置いている。
料理は基本は和風だが、クリームチーズを使うなどの工夫もある。前菜、炊き合わせ、造り、揚げ物、焼き物と進んで、最後は白海老の炊き込みご飯。一品の量が控えめなので、ちょうどい具合で食べ終わる。中心部から少し外れた場所で、鈴木大拙館の近く。客は地元の人ばかりのようだ。落ち着いた雰囲気で、料理と酒が楽しめる。金沢に何日か滞在することがあったなら、行ってみるといい。(2018.8.29)

金沢市本多町3-10-27
17:30〜24:00 日休