橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

御徒町「佐原屋」

classingkenji2017-09-19

ガード下はしご酒、二軒目はここ。御徒町の老舗大衆酒場で、戦後東京のグルメガイドの元祖といっていい『東京いい店うまい店』(一九六七年刊)にも「これこそ勤労者の日々のリクリエーション用の店」として紹介されている。かつては客がそれぞれ外側を向いて飲むという、珍しい配置の並行カウンターだったが、五年ほど前に改装したということで、カウンター席一列とテーブル席という、落ち着いたレイアウトになった。大衆酒場ながら焼きとり・もつ焼きの類いは置かず、刺身に天ぷら、酢の物などが中心。ホームの直下なので、電車の発着音がよく聞こえてくる。(2017.9.1)

台東区東上野3-35-9
17:00〜23:30 土日休