橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

谷中「肉と日本酒」

classingkenji2016-05-23

この日は、誘われてこの店へ。すでにかなり評判になっているが、吉祥寺の「肉山」がプロデュースしたという、その名の通り肉と日本酒の店である。完全予約制で、お任せのコースのみ。酒は保冷庫に入っているもの、飲み放題。日本酒は、純吟生原酒タイプのものを中心に、二〇種類ほどだろうか。
最初はハチノスやキムチなどの前菜が出て、次が肉。A5ランク和牛を中心にした七つの部位が、まずは塩味で。これを炭火で焼いていただく。その次は、タレ味で。途中、お好みで肉山名物というカレーをいただき、最後は冷麺。これでお一人六五〇〇円。予約は二〇人からとのことだが、この日はfacebook経由で最大定員の四五名が集まったので、お店は儲かったことだろう。飲んだことのない日本酒がいろいろあったが、なかでも香り高くピュアな旨みの「花の香 桜花」と、水のようになめらかな「日高見 超辛口純米酒」が印象に残った。肉好きの多い職場の宴会には、申し分ないだろう。(2016.4.25)

台東区谷中3-1-5
17:00〜(完全予約制) 不定