橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「はや輝」

classingkenji2016-01-08

以前、江古田の「暁」という銘酒居酒屋を紹介したが、これは「酒の秋山」という酒販店の経営。この酒販店が全国からいろいろな酒を仕入れてきては、あちこちの居酒屋に卸している。そのおかげで、練馬近辺には、いい日本酒を置く店が増えている。この店も、そのひとつだろう。
酒のメニューを見ると、「常山」「佐久の花」「車坂」「一輝」など、「酒の秋山」らしい酒が並んでいる。料理の方は、居酒屋に割烹料理店の要素を少し加えたような趣だ。刺身が充実していて、一品の刺身にはそれぞれ値段が半額の「ハーフ」というのが用意されているのが好ましい。天ぷらもいろいろあり、さらにカニ味噌、エビ味噌、生湯葉など、日本酒好きにうれしい肴も。
当日は、見るからに地元民という雰囲気の初老の男性グループと、中年女性のグループが盛り上がっていて、よそ者には少々喧しかったが、これは我慢しなければなるまい。練馬駅から歩いて三分ほど。(2015.12.3)

練馬区豊玉北5-22-11
17:00〜翌5:00 無休