橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「祭一番」

classingkenji2015-06-13

池袋に、奥能登出身の祭好きがやっている店があるというのは、ネットで調べて知っていた。実際に入ったのは、今回が始めて。
店主に話しかけて能登出身だというと、こんな会話がはじまった。「能登のどこです」「珠洲」「え、珠洲のどこですか」「飯田」「えっ、飯田のどこですか」「大町」「ええっ、何さんですか」「橋本」「えええっ 私はいろは書店です」。いろは書店というのは、私の実家の五軒隣の本屋だ。そんなご近所さんが、こんなところで居酒屋をやっていたとは。
店内では、能登の祭のようすを記録したビデオをずっと流している。都心や東京ドームで、能登の祭を再現した時のビデオも。朝ドラの「まれ」に、田中泯が、仕事で祭に帰って来れないという息子に「祭と仕事とどっちが大事ながや」と怒るシーンがあったけれど、まさにそんな祭好きで、祭の時は店がお休みになる。能登から送られてきたズワイガニがあるというのでいただき、地元の酒「竹葉」を飲む。常連さんが多い。開店は18:00だが、店主が買物に行っていて遅れたり、一時的に閉めたりすることがあるのでご注意。(2015.4.25)

豊島区南池袋2-14-1マンション池袋106
18:00〜24:00 日祝休