橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

浅草「駒形どぜう」

classingkenji2014-10-23

この日は、浅草へ。この店に入ったのは、何年ぶりだろうか。店先で順番を待っている人が十数人いたが、大店だからさほどは待たされない。二階の座敷は、畳敷きのまま、椅子席になっている。テーブルの間隔が十分とってあるので、居心地がいい。
名物のどぜう鍋は、一七五〇円。柳川も、同じ値段だ。丸々と太ったどぜうは、柔らかく煮込んでから供される。これを火にかけ、刻み葱をたっぷり載せ、葱に火が通ったところでいただく。あいかわらず美味い。酒は、伏見の「振り袖」。日本酒には最高の肴の一つだろう。
古くから通っている客も、初めて来た観光客も、同じように居心地よく楽しめる名店。今度は平日の空いた時間に来て、ゆっくり酒を飲みたい。(2014.10.19)

台東区駒形1−7−12
11:00〜21:00 無休