橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「晩杯屋 大山店」

classingkenji2014-10-10

いま評判の立ち飲み屋の、一年前にできた大山店。赤羽の名店「いこい」で修行した人が始めたとのことで、店内には「いこい」のTシャツが飾られている。壁に貼られた飲み物メニューのデザインは、「いこい」とそっくり。ホッピーセット三七〇円、中二二〇円、サワー各種二九〇円、生ビール四一〇円、日本酒二五〇円より。さすがに「いこい」と同じというわけにはいかなかったようだが、十分安い。料理メニューは一一〇円から一五〇円のものが多く、これも「いこい」より少しだけ高いといったところで、煮込み、ポテサラ、なす天ぷらが一三〇円、マグロぶつ、がつ刺し、サバ塩焼きなど一五〇円。注目は日替わりの短冊メニューで、この日はサンマ刺し二五〇円、ホヤ酢二〇〇円など。
「いこい」と比較すると、ちょっと中途半端な感じがしないでもなく、満員盛況とまではいかないようだ。かなり広い店なので、これでは少し厳しいか。「いこい」のように電車を使ってでも行くとまではいかないと思うが、近所に住んでいたら足繁く通うかもしれない。近所の人は、通ってください。(2014.9.9)

板橋区山東町58-5
15:00〜23:30(土日13:00〜) 無休