橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「きくや」

classingkenji2014-07-14

ちょっと必要があって、居酒屋街の写真を撮り歩いている。この日訪れたのは、下北沢と新宿。いずれも、池袋に引っ越してからはご無沙汰が続いている。
下北沢では「さかえ」へ。抜群というわけではないが、安定したもつ焼きの味。大衆的でありながら、どこか凜とした雰囲気の店で、地元の中高年の憩いの場になっている。二人いたはずのお嬢さんが一人になっているのは、何か訳でもあるのか。
新宿では、「きくや」へ。新宿でもつ焼きと下町風ハイボールの組み合わせを楽しむことができる。下町風ハイボールの味は店によってかなり違い、栄養ドリンク系の味が強いものからほとんど無味無臭に近いものまでバリエーションがあるが、この店は、はっきりエキスの味がしながらすっきりしていて、個人的にはベストに近い。池袋にもこんな店があればいいのだが。(2014.6.23)

新宿区西新宿1-2-8
15:00〜24:00 無休