橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

飯田橋「主水」

classingkenji2013-01-13

この日は、某出版社の面々と忘年会ということで、この店へ。飯田橋の駅から目白通りを少し上ったところの蕎麦懐石の店である。ビルの一階だが、もともと独立した二戸だった場所を使っているらしく、出入り口が二つある。私が入ったのは、奥の方。靴を脱いで上がり、椅子に座ってテーブルにつくというスタイル。寒い季節には、ありがたい。
最初に出てきたのは、手の込んだお造り。平目にはポン酢のジュレを載せ、しめ鯖には醤油のジュレを挟み込み、トロは炙り、鯛は紙塩にして生クリーム入りの白醤油をつけていただくといった具合である。そのあと小さな蕎麦が出て、八寸、煮物、焼き物、揚げ物と続く。酒は、八海山をいろいろ揃えていて、この日はしぼりたての生原酒をいただいた。すっきりとしていながら、生原酒らしい香りと甘味もあるという、良く出来た酒。この日はさらに、編集者の持ち込んだボルドーワインもいただいて、大満足。
あとで値段を調べてみたら、コース料理は意外にリーズナブル。また行ってみたい店である。(2012.12.27)

新宿区下宮比町2-28
11:30〜22:30 日祝休・土不定