橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

今年の花見酒

classingkenji2012-04-08

今年も、砧公園で花見酒をした。朝の気温はわずか四度で、午後になっても十二度までしか上がらない。しかも曇りで、冷たい風が吹く。花見酒を始めた時は、あまりの寒さに二、三杯で帰ろうかと思ったが、飲むうちに気分がよくなり、けっこう長居をしてしまった。
今年の花見酒は、この二本。出羽桜の純米吟醸雄町しぼりたて原酒と、チリのバルディヴィエソ・メルロー・レゼルヴァ。昨年の花見の時は、震災で壊滅した酔仙の純米酒を持ち込んで飲み、「この酒を飲みながら花見をするのは、もしかするとこれが最後になるかもしれない」などと書いたが、酔仙酒造は他の酒蔵の施設を借りて製造を再開し、すでに何種類かの酒が発売されている。新工場の建設準備も進められている。うれしいことである。(2012.4.7)
酔仙のいま 酔仙酒造