橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

虎ノ門「サラマンジェ」

classingkenji2011-06-27

今日は、知人の日本人・フランス人夫婦と、虎ノ門のフレンチへ。この夫婦(とくに夫)、フランス料理には強いこだわりがあり、いい店をいろいろ探してくる。この店は虎ノ門の駅の近くだが、路地裏の分かりにくい場所にある。
日本人向けに味は穏やかに、量は少なめなどという発想は皆無で、ともかく味は濃厚、どかんとボリュームのある料理を出す。ブダン・ノワールは、どんと太いのがさらに鎮座して、わずか九〇〇円。カン風トリップ(一八〇〇円)は、一人用としては最大級のキャセロールに、いろんな部位が原形をとどめたまま盛り込まれている。詰め物をしたホロホロ鳥のロースト(二八〇〇円)は、直径一〇センチはあろうかという丸々とした塊で、切ると肉汁がほとばしる。シェアしながらいろいろ食べていたら、二皿でお腹いっぱい。デザートも、ボリュームがある。ワインの種類も多い。フレンチをよく知っている人が集まっているようだ。入り口脇には、シェフの大きな写真が。店を出ると、目の前に東京タワーが見える。(2011.5.14)

港区虎ノ門1-11-5 森谷ビル B1F
17:00〜23:00 日・祝日の月曜日休