橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

新橋「身知らず」

classingkenji2011-06-10

森まゆみさんの『望郷酒場を行く』に紹介されていて知ったのが、この店。会津料理を出す新橋の居酒屋である。店主の山田信彦さんは会津出身で、一〇年ほど前に脱サラして開店した。店内には、会津の観光ポスターが所狭しと貼られていて、メニューにも鰊の山椒漬、こづゆ、馬刺しなどの会津の味、そして会津中将を中心とする地酒が並ぶ。ちなみに会津中将は、会津若松市の小さな酒蔵で、七代目の長女にあたる林ゆりさんという若い女性が杜氏を務めている。
お客さんには、会津人が多い。会津出身の常連客が和気あいあいと飲んでいるが、別に排他的な雰囲気ではなく、店主は初めての客でも親しく接してくれる。新橋の中心部から少し外れることもあり、落ち着いた雰囲気で値段も手頃。新橋へ行ったら、ときどき寄ってみたい店である。(2011.5.2)

新橋4-11-8植木ビル1F
17:00-23:00 土・日・祝休