「小笠原伯爵邸」
今日は、どういう訳か妻の大学の同窓会の同伴で、新宿河田町へ。このレストランは、一九二七年に建てられたスペイン風の邸宅で、旧小倉藩主だった小笠原家の所有だったもの。戦後、米軍に接収された後、東京都の所有となったが、曲折を経て民間に貸し出されることになり、二〇〇二年からスペイン料理のレストランとなった。随所に見られる色彩感ある装飾が美しく、パティオや庭、庭に面した半円形の客間など、空間構成も素晴らしい。そして、料理が素晴らしい。立食パーティーなので、あまり期待していなかったのだが、バラエティに富んだ前菜、生ハム、バーベキュー、パエリアなどいずれも美味しく、タイミングよく出てきた冷たいガスパッチョなど、演出も心憎いかぎりだった。
写真は、技術を認証されてコルタドールという称号をもつ生ハム切り職人が、最高のハモンセラーノを切っているところ。繊維が細かく、味は深く、スパークリングにも白にも赤にも合う。ワインは、メニューの値段から見てけっして高いものではないのだろうけれど、いいものを出していた。今度は、プライベートで行ってみたいものである。(2010.7.11)
新宿区河田町10-10 11:30〜15:00 18:00〜23:00 無休