橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「八起」

classingkenji2010-06-18

今日は、ヤミ市研究会で東大工学部へ。この研究会、私以外は全員建築史が専門で、徹底的に資料を収集する、その実証精神には頭が下がる。さらに、プレゼンがうまい。パワーポイントのスライドなど、うまくレイアウトされていて、たいへん参考になる。
研究会後の「実地調査」は、赤羽へ。東大前から赤羽岩淵まで行き、ヤミ市起源の市場を見学してから、OK横丁へ。先日、吉田類さんたちといっしょに来たばかりだが、「まるますや」とこの店は、何度来ても飽きることがない。何度も来ているので、このブログでも当然すでに取り上げたとばかり思っていたが、記事中の言及があるだけで、ちゃんと取り上げたのはこれがはじめてのようだ。
一階は厨房をはさんだ並行カウンターとテーブル席、二階はテーブル席と座敷で、かなり人数が入る。メインはモツ料理で、串焼きや炒め物、煮込んでからスライスしたものなど色々あり、部位も玉、おっぱいなど種類が多い。しかも、安い。やきとんは五本三九〇円など、たいがいの料理は三〇〇円台。ビールは大瓶五六〇円、酎ハイ類は三五〇円が中心。まるます家ほど名所化していないから、赤羽という町の姿をより濃厚に感じる。
OK横丁は、駅よりの一部が取り壊されて、ビルの建設が始まっていた。あまりぱっとしない店の多い一角だったからダメージは少ないが、他に波及しないことを祈る。(2010.5.15)

北区赤羽1-18-8
15:00〜23:00 第1・3木休