橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

大井町「なか村」

classingkenji2010-05-12

今度、取材で青森へ行くことになった。その下調べということで、編集者と大井町で待ち合わせる。向かったのは、ヤミ市の匂いのする居酒屋街とは反対方向にあるこの店。
魚、山菜など、材料は青森から仕入れているとのことで、メニュー全体に郷土色が漂う。なんと、青森おでんまである。厳寒のなか青函連絡船を待つ客を暖めるため、屋台の店主が考えついたという、生姜味噌だれをかけていただくおでんだ。酒は青森の地酒を何種類か揃えているが、さすがに「田酒」だけは、一人二合までという制限がつく。
店主は青森出身で、青森の居酒屋についても教えていただいた。店主のお薦めは、これまで聞いたことのない二軒。いい下調べになった。要予約なのは、急に混み出すと料理の出るのが遅くなり、お客さんを困らせることになるからだとのこと。いたって庶民的な雰囲気の店である。(2010.4.2)

品川区東大井6-5-6 
17:30〜23:00 日休 要予約
http://aomori1-web.hp.infoseek.co.jp/