橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

仙台「じょじょや」

classingkenji2010-01-15

この日は、所用で仙台へ。当然ながら、夕刻から国分町方面に繰り出す。久しぶりなので、とりあえず国分町と稲荷小路を端から端まで歩いて店を物色したあと、「生殻カキ 2個290円」の看板があって、料理も期待できそうなこの店へ。あとで調べたところ、近くの有名店「北の一」と姉妹店らしい。
コの字型のカウンター一四席と、テーブルが六卓ほど。看板のカキは、白く引き締まっていて、艶もいい。値段からすると、たいへんなお買い得品。刺身各種の他、ホヤ塩辛、蒸しホヤ、かにみそ、イカ沖漬け、ぎばさ酢などの酒肴がいろいろあり、三五〇−五〇〇円と安い。ホヤ塩辛は、濃いオレンジ色の実が美しく、澄み切った味だった。酒は宮城と青森・山形の地酒が数種類あり、八〇〇円前後。焼酎も数種類あり、五〇〇円前後。サワー類は四二〇円と五五〇円。酒類は安くないようだが、料理の質の良さと安さで、十分満足できる。
クリスマスイブの今日は、カップルも何組か。一生懸命口説こうとしている男性の横で、女性が携帯メールを打っている。サラリーマンのグループ客も入ってくる。明るい雰囲気で入りやすく、地元民・観光客とも安心して飲み食いできるいい店だ。(2009.12.24)

仙台市青葉区国分町2-10-30
5:00〜0:00(金・土〜2:00)
http://www.kita1.com/