橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

キルホーマン・INAUGURAL

classingkenji2010-01-14

一昨年アイラ島へ行ったとき、キルホーマン・ファーム・ディスティラリーという新しい蒸留所に立ち寄った。創立からまだ二年という新しい蒸留所だった。スコッチ・ウイスキーと称するためには、原酒を三年以上熟成させる必要があるので、当時はまだウイスキーは発売されておらず、一年だけ熟成させたスピリッツを少量だけ売っていた。
この原酒を三年熟成させたウイスキーが、初めて発売された。名前をINAUGURAL(就任式)という。熟成期間が短いだけに、色は薄く、少々刺激的なところもあるが、アイラ特有の強烈なフェノール臭・ピート臭とともに、フルーティーな魅力もあり、将来性を感じさせる。ファーストリリースはあっという間に売り切れ、一時はオークションで高値を呼んでいたが、現在はセカンドリリースのものが入手できるようになっている。ウイスキーの好きな人は、試してみるといい。
[2010.1.17付記 セカンドリリースも、あっという間に売り切れたもようである。]