橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

江古田「和田屋」

classingkenji2010-01-08

今日は、卒業論文提出のあと、初めての四年ゼミ。かんたんに寸評を加えただけで早々に終わり、五時から慰労会。
以前も取り上げたことがあるが、この店は江古田駅北口の線路沿い、少し桜台寄りの方にある古い店。地元の中高年客が多く、学生はあまり来ない。満員になることは皆無で、出版社との打ち合わせによく使っている。奥に広い座敷があって、学生十数人を連れて行っても予約なしでほぼ間違いなく入れるので、こういう場合は便利。
洒落たカクテルや洋風料理はないが、そこそこ美味しい刺身ともつ焼き、鍋物を食べさせてくれる。とくに刺身盛り合わせは、高級店クラスに近いものを居酒屋価格で出してくれるのでおすすめ。学生たちはふだん、うまい刺身を食べることは少ない。もつ焼きなどは、食べたことのない学生もいる。ここで伝統的な居酒屋料理の味を教えるというのも、たまにはいいだろう。ともかく安くて品数が多い。種類は少ないものの、地酒や本格焼酎を四合瓶で出す。三時間以上飲み食いし、私が三〇〇〇円ほど多めに出したら、一人三〇〇〇円に収まった。沿線の人は、宴会場所として頭に入れておくといいかも。たしか平日の火曜あたりが休業日だったと思う。(2009.12.18)

練馬区栄町30-2
03-3994-3706 17:00−