橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

祖師谷大蔵「戎参」

classingkenji2009-04-14

祖師ヶ谷大蔵駅を南側に出て、すぐ左に入った通りにも飲食店が何軒かある。有名なのは中華の名店「広味坊 」だが、その斜め向かいに「戎参」があるのを見てびっくり。聞いてみると、二月に開店したばかりとのこと。三軒茶屋周辺限定かと思ったら、広く展開しはじめたらしい。値段は三軒茶屋と同じで、串焼きは一三〇−一五〇円、ホッピー四九〇円、ビールは中瓶六〇〇円。このあたりにしては高めの価格設定である。間口が広く、ガラス戸で中がよく見えるから入りやすいが、その割に客が少ないのは値段のせいだろうか。プロデュース会社に多額の費用を払っての出店だから、高く設定しないとやっていけないのかもしれないし、ブランドとしての統一性も必要なのは分かる。しかし、地域性というのも考えるべきだろう。ちなみにこの店のホッピーは、生樽ではなく三冷で、ジョッキに注いで出てくる。(2009.4.9)

世田谷区砧6-37-6
16:00〜23:00 無休