橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

岡山「立ち呑み ハッピー酒場」

classingkenji2008-12-12

「佐久良家」をからホテルに帰る途中でみつけたのが、この店。これは、東京でも展開しているハッピー酒場ではないか。ホッピーの提灯までぶら下がっている。これは、入らないわけにはいかない。ホッピーを注文すると、「氷入れますか?」と聞かれる。これも、正しい作法である。
ホッピーセットは四〇〇円、酎ハイ類は三〇〇円、日本酒も三〇〇円、なんとデンキブランがあって、これも三〇〇円。なかなかリーズナブルな価格設定である。東京のハッピー酒場とは、完全に業態が違うようである。料理は、どて焼き四〇〇円、ポテトサラダ二五〇円、串焼き一〇〇円より。串揚げもあって、これも一〇〇円より。なるほど、大阪立ち飲みと東京立ち飲みのハイブリッドである。このスタイルは、東京でも受けそうだ。店は中年女性が一人で切り盛りしていて、聞いてみると一年ほど前に開店したとのこと。看板には「駅前一号店」とあるから、これからも出店するのか。東京にも、同じスタイルの店を出す予定はないのか。この種の店は、チェーン店の限界があるとはいえ、ちょっと飲みたいときや空き時間に飲むときなど、利用価値がある。今後に注目である。

岡山市駅前町1-9-4
14:00〜23:00 不定