橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

中野「魚の四文屋」

classingkenji2008-11-20

今日は大学で資料集めをしてから、久しぶりに中野へ。久しぶりに新潟料理の「雪椿」へ行こうと思っていたのだが、見つからない。どうやら、閉店したようだ。周囲がアニメ系の店に取り囲まれているかっこうだから、しかたがないのかもしれないが、さびしいことである。
そこで向かったのが、この店。安くておいしいもつ焼きを出す「四文屋」の系列店で、こちらは魚料理。ビールは、サッポロ黒ラベルで、生、中瓶ともに五〇〇円、サワー類は三五〇円。日替わりサービスの刺身があり、今日は甘海老が三尾で一〇〇円。刺身の種類が多く、値段はまあまあ安くて三五〇−七五〇円程度。炭火で焼くコマイなどの焼魚は二〇〇円からで、お得感がある。二年前ほどにできた新業態だが、他に広がっていないところをみると、それほど利益が上がっていないということか。たしかに、もつ焼きの店ほど客が入っていることは少ない。「トロ函」などをみても、安くていい魚料理を出すチェーン店というのは、けっこうニーズのある業態ではないかと思うのだが。魚料理がメインの店というのは、若者たちにとっては少々敷居が高い。チェーン店だと、入る前に値段がわかるので、安心感がある。しかしこの店、値段は「四文屋」に比べると割高で、店のつくりは平凡。もう一工夫必要なのかもしれない。

中野区中野5-56-15
営業時間不明