橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

ザルツブルク「スティーグル・ブロイ」

classingkenji2008-09-10

ザルツブルク音楽祭では、ウェルザー・メスト指揮のクリーブランド管弦楽団と、サロネン指揮のウィーン・フィルのコンサートを聴いた。市内観光も含めて全部で3泊し、市内のいくつかのレストランで食事をしたが、そのうちのひとつがここ。スティーグルStieglはザルツブルクではもっともポピュラーなビールの銘柄で、この店はその直営店。隣接するホテルで宿泊もできる。室内レストランとビアガーデンがあり、メニューは同じ。今回は季候も良いので、ビアガーデンにした。ビールは、ヘレス、ヴァイツェンデュンケルヴァイツェンピルスナーなどがあり、いずれもおいしい。ウィーンでも何種類か飲んだが、オーストリアのビールはミュンヘンのものに比べてやや甘味が少なく、またチェコのビールほど苦みが強くない。もちろん、北米のビールのように水っぽくはない。海外のビールでは、日本のビールにいちばん近いといっていいだろう。しかし南ドイツに隣接することもあって、ヴァイツェンが多く飲まれているようだ。ザルツブルクの駅から大通りを旧市街方向へ歩き、鉄道のガードを過ぎてすぐのところにある。祝祭劇場などのある旧市街に比べると、このあたりは人通りも少なく、値段も安いようだ。料理は6-7ユーロくらいからあり、ドイツほど安くはないが、フランスや英国よりはずっと安い。音楽祭期間中のせいか、日本人客もちらほら。ここなら、日本のビアレストラン並みの値段だから、安心して食事ができる。(2008.8.29)

Stieglbrau 
RAINERSTRASSE 14 A 5020 SALZBURG AUSTRIA