橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

ウィーン「ジーベン・シュテルン・ブロイ」

classingkenji2008-09-09

ザルツブルク音楽祭のついでに、ウイーンに立ち寄る。フランスがワインの国であるのに対して、ドイツは、ラインやモーゼルに良いワインがあるとはいうものの、基本的にはビールの国。それではオーストリアはどうかというと、ビールとワインの重みがほぼ同等くらいではないかと思う。日本ではあまり知られていないが、各地にワイン産地があり、赤・白とも多くのワインが作られている。ただし、フランスのようにブランドイメージが確立しておらず、イタリアやスペイン、新世界ほど安くはないので、ほとんど日本に入ってきていない。さらに各地にさまざまなブルワリーがあり、多種多様なビールが作られている。
というわけで立ち寄ったのが、この"7 Stern brau"というビアレストラン。店内にマッシュタンがあり、実際にその場で醸造しているようだ。店名の7 Sternは、店のあるSiebensterngasseという通りの名前からとられているが、この名前にちなんで、メルツェン、デュンケル、ラオホ、ヘレスなど、7種類のビールが提供されている。ビールは、たいへんおいしい。0.2リットル、0.3リットル、0.5リットル、1リットルと4種類のグラスとジョッキがあるので、さほど酒に強くない人でも、いろいろ試して飲むことができるのがうれしい。観光客もいれば地元のグループ客もいて、たいへん賑わっている。ホームページもあり、詳しい地図が載っているから、行ってみたい人はどうぞ。(2008.8.28)

7 Stern brau
Siebensterngasse 19 A - 1070 Wien
http://www.7stern.at/index.htm