橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

渋谷「ミラフローレス」

classingkenji2008-04-29

珍しいペルー料理の店。ペルー大使館肝いりで作られた正統派の店らしく、けっこうあちこちで紹介されている。土曜日だったが、若者たちの団体で満員盛況だった。味は、いい。アンティクーチョ(牛ハツの串焼き)はスパイシーかつジューシーだし、パパラ・ワンカイナ(ジャガイモの唐辛子チーズソースがけ)は、素材の風味をスパイスが引き立てる。ペルーの代表的なカクテルだというビスコサワーもいける。しかし、値段が高すぎる。アンティクーチョ、要するにもつ焼きが二本で一二〇〇円。大きさは、一本八〇円の下町もつ焼き屋のもつ焼きと同じくらい。この調理法で、下町もつ焼き屋のカシラやタンを食べてみたいものだ。ワインは、ディスカウントショップで八〇〇円クラスのものが三〇〇〇円。エスニック料理は、珍しい素材を使った王宮料理ならともかく、気軽に食べられるものでありたい。美味しいので、一度くらいは行ってみてもいいと思うが。(2008.4.12)

渋谷区桜丘町28−3−1F
11:30〜15:00 18:00〜28:00 日休