橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「大はし」

classingkenji2008-04-16

言わずと知れた名店。なぜか最近縁がなく、この一年くらいの間に満員で入れなかったことが二回あった。なので、けっこう久しぶり。しかし今日は、ビール一本と煮込み一皿だけで店を出た。なぜかというと、居心地がよろしくなかったから。この店、長身胴長で腰痛持ちの私には、カウンターが低すぎる。さらに、椅子をぎりぎりまでたくさん並べているから、肩幅が広く胸囲が一メートルある私は、ずっと肩を縮めていなければならない。店の客の大部分を占める地元の中高年にはこれでいいのかもしれないから、欠点とはいえないが。心なしか、煮込みの肉がパサパサしている。ここの煮込みは、ゼラチン質が多くてもっと旨みがあったと思うのだが、気のせいか。今度来るなら、誰かを連れてきてテーブル席に座りたい。(2008.4.9)

足立区千住3-46 
16:30-22:30 日祝休