橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

横須賀「坂戸屋」

classingkenji2008-03-03

今日は、三浦半島地区の労組や市民団体が主催する、日の丸・君が代問題に関する集会で講演を頼まれ、横須賀へ。「格差社会と若者たちの未来」というテーマで九〇分ほど話をした。いつもは教育の話といえば、教育機会の不平等のことくらいしか触れないのだが、今回は集会の趣旨に配慮して、日本の教育政策についても、少しお話をする。学校選択や自由競争など、新自由主義的教育政策と、日の丸・君が代のようなイデオロギー教化は、論理的には矛盾するか、これを「国家の定めた目標の達成度をめぐって自由競争させる」という形で両立されようというのが、いまの教育政策の本質ではないかというようなことを話してきた。集会は八時過ぎに終わり、一時間ほどだけ打ち上げにおつきあいすることに。ご一緒したのは、教職員組合の役員や、生活者ネットの市議会議員など。場所は、事前に私から希望して、この店にしていただいた。横須賀では広く飲まれているというホッピーを飲みながら、この店の名物という煮込みをいただく。ホッピーは三冷。煮込みはすじ肉中心で、ジャガイモがごろりと入っているのが特徴。見た目は醤油の色が濃く、油ぎとぎとだが、食べると意外にあっさりしている。予定通り、九時過ぎにおいとまし、無事十一時過ぎには帰宅したのだった。(2007.2.22)