橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「なんで・や」

classingkenji2007-10-12

千歳烏山の「なんで・や」は以前行ったが、下高井戸の方は今回が初めて。存在は知っていたが、なぜか行きそびれていた。この店は千歳烏山とは違い、椅子に座るのが基本。L字型カウンターと、カフェバー風の丸テーブルがあり、くつろいで飲むことができる。串焼きが基本だが、近くにある系列の魚料理の店から刺身の出前を取ることもできて、なかなか使えそう。しかも、普通の白ホッピー、黒ホッピーに加えて、55ホッピーがある。置いてある店をみたのは初めて。よく冷やしたジョッキに出てくるが、氷が多過ぎるので、少し減らしてもらう。ホッピーはいずれもセットが三八〇円で、外は二〇〇円。串焼きは主力のれば、はつ、かしらが一〇〇円、たん、ちれ、てっぽうは一五〇円、牛もつもあり、ぎあら一五〇円、まるちょう二〇〇円など。いずれも旨い。若い店員が楽しそうに、しかも一生懸命働いているところは「四文屋」に似ている。西武線・中央線の「四文屋」、京王線の「なんで・や」といったところか。ただしこちらはティーケーエスグループという大手の経営。しかし、大手くさくないところがいい。(2007.10.6)