橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「メコン」

classingkenji2007-09-24

池袋には昔からエスニック料理の店、とくに東南アジア料理の店が多い。とくにタイ料理店は、私の知る範囲でも五軒ばかりあり、タイ人の料理人や店員がいて、本場の味を知ることができる。連休の初日に買い物ついでに寄ったのが、この「メコン」。料理の種類が豊富で、写真入りの分厚いメニューに、二〇〇種類ほどの料理が並ぶ。今日のメインに選んだのは、雷魚タマリンド風味(写真)。唐揚げにした雷魚を魚の形の鍋に入れ、タマリンド風味のスープとたっぷりの野菜とともに煮込んだもので、辛みと酸味と甘味のバランスがよく、野菜もたっぷりとれる。雷魚料理のバリエーションが数種類、同じくタイ料理では定番の食材であるマナガツオの料理は一〇種類ほど。酒はタイビールやメコンウイスキーの他、アサヒビールや酎ハイ、フランスワインなどを置く。ビールがスーパードライなのが実に残念だが、唐辛子にまみれた舌を洗うくらいの役には立つ。一〇〇〇円で食べ放題のランチは、美味しくてお得。東京芸術劇場の近くのビルの地下にある。看板はあまり目立たないので、ネットで場所を調べてから行った方がいい。