酒とつまみ編集部編『酔客万来』(酒とつまみ社・2007年・1600円)
高田渡つながりで一冊。「酒とつまみ」という雑誌については、別のブログで紹介したことがある。全編酒の話だけという雑誌で、「中央線で行く東京横断ホッピーマラソン」「7時間耐久立ち飲みマラソン」など奇想天外な特集をやっている。本書は、この雑誌に連載されているインタビューを五本まとめたもので、登場するのは、中島らも、井崎脩五郎、蝶野正洋、みうらじゅん、高田渡。高田渡は漢字をネタにしたうんちくと冗談が半々の話題がぽんぽん飛び出し、インテリジェンスと柔軟な発想をうかがわせる。最後のページには、居酒屋でのインタビューのあとで撮ったという写真。雨の日の井の頭公園の夜桜をバックに、高田が立っている。彼にとっては最後の夜桜だったろう。ぜひ、カラーで見たい一枚だ。その他では、井崎脩五郎が印象的。話題豊富で話し上手だが、サイレンススズカの最後のレースの話で涙を浮かべるところを読むと、この人はほんとに馬が好きなんだなと思わせる。一六〇〇円はちょっと高いかもしれないが、酒の上での馬鹿話の好きな人と、高田渡が好きな人はどうぞ。ただし、けっこうお下品な話題もあります。
[rakuten:book:12105480:detail]