橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

「たつみ」

classingkenji2007-06-05

「たつみ」は下高井戸の名物居酒屋で、駅の近くに二店ある。前回行ったのは本店だが、今回、原稿の束を持って入ったのは駅前店。こちらの方が新しく、面積も広い。まずは、三冷のホッピーをいただく。冷蔵庫にボトルが並んでいるので、樽生ではない。中ジョッキ一杯に注いで出てくる。氷で薄められたホッピーを見慣れていると、意外に色が濃い。泡はジョッキの縁から一センチほど。うまい。原稿チェックが二ページほどしか終わらないうちに、飲み終えてしまう(笑)。次は、「たつみサワー」。これはシークワサーのサワーで、瓶詰めの一〇〇%果汁を使っているようだ。一〇〇%果汁を使ったサワーはこのほかにレモン、かぼす、ゆずとあり、いずれも三三五円。料理は焼鳥(残念ながら焼きとんはない)、刺身、天ぷら、煮物など豊富。つくねはハンバーグ状で、卵の黄身が一個ついてくる。稚鮎の天ぷらは、やや大きめのものが五匹。いずれも、美味しい。下高井戸で一店選ぶなら、断然この店である。駅前市場を横切り、甲州街道方向に歩いてすぐ左側にある。(2007.6.4)