橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

新橋駅前ビル地下街

classingkenji2007-05-17

編集者たちと別れ、もう一軒と、新橋駅前ビルの地下街へ。ここは、ビルの中の飲食店街と言うよりも、地上の飲み屋街がそのまま移設されたかのような雰囲気だ。横には小さな路地のような通路すらあって、呑兵衛好みの場所である。それもそのはず、ここは王長徳が作り上げたヤミ市、国際マーケットの移転先なのだから。先日、新宿で飲んだ七尾和晃さんは、この地下街でも取材しているが、本にも登場するのが「半上野」という店。「はんじょうの」と読む珍しい店名だが、ママの名字だとのこと。刺身を頼むと、マグロのカマトロの部分が出てきた。なかなか美味しい。今回はだいぶ飲んだ後なので、早々に失礼したが、今度はゆっくり飲ませてもらうことにしよう。(2007.5.15)