橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

鶏もも肉のたたき

classingkenji2007-04-04

先日は、奥能登地震があった。幸い、私の郷里である珠洲市ではさほどの被害がなかったが、母親の実家のある輪島市では、かなりの被害があった。電話がほとんど通じなくなっていたので、現地の人から何通か「大丈夫だったよ」メールが来たが、時々買い物しているネットショップからも一通。そのショップが「とり農園」である。もっとも、所在地はかほく市、つまり加賀地方だから、大きな被害があるはずもないのだが、いつも「ど田舎」「能登半島」というのを売り物にしていることもあって、見舞いメールが殺到したらしい。鶏舎が壊れて、鶏が飛び回っている様を想像すると、つい笑ってしまうが、そうはならなかったようだ。
時々肉や加工品を買うのだが、解凍してスライスするだけで食べられて重宝するのが、この「もも肉のたたき」。九州ではよく食べるが、たいていは皮付き。皮の部分は風味が濃いものの、なかなか噛み切れない。そこでこの店では、皮を取ってからたたきにしている。物足りない気もしないではないが、大変食べやすく、鶏肉の味を純粋に楽しめる。玉葱スライスとポン酢、柚胡椒とポン酢、山葵醤油などで食べる。ちなみのこのショップでは親鶏ミンチというのを売っていて、これはキーマカレーや麻婆豆腐に使うと、歯ごたえがあってたいへん美味しい。商品は原則として冷凍。送料がかかるので、まとめ買いするのでないと割に合わないので注意。扱っているのはいわゆる「地鶏」ではなく、プリマスロックを平飼いした銘柄鶏の「能登鶏」である。(2007.4.4)
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