橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

その他の酒

プラティパス・ピノ・ノワール

新世界ワインついでに、私が家でよく飲むワインを一本。オーストラリアは、ニュージーランドやカリフォルニアの一部と並んで、新世界らしい濃厚な果実味とヨーロッパ的な繊細さを兼ね備えた良質なワインの産地である。コストパフォーマンスの高いワインが多…

「灯串坊」で「魔王」を飲む

焼酎好きなら誰でも知っている、鹿児島は白玉醸造の芋焼酎「魔王」。「幻の焼酎」として知られ、量販店やネットショップでは一升瓶が二万円、四合瓶が一万円ほどで売られていることがある。しかし「灯串坊」では、普通の値段でボトルキープできる。正確な額…

新作(?) ホッピー・アンバー

この夏は、ずいぶんホッピーのお世話になった。猛暑で乾いているときは、ビールですら甘ったるくしつこく感じることがある。だからといって、スーパードライの金属的な不味は願い下げだ。すっきりしてしつこくないビールがあればいいわけで、ヴァイツェンビ…

福島「だいじょうぶ」

「古典酒場」編集長酔いどれブログで、「ホッピーの南限・北限を探る」という企画をやっていることについては、以前紹介した。実は、ホッピービバレッジのホームページでは「買える店・飲める店」の検索ができ、南は石垣島、北は稚内まで飲める店があること…

「和食れすとらん 天狗 馬事公苑店」「キム・クロフォード・マールボロ・ピノ・ノワール」

今日は、近所(と言っても、自転車で10分ほどかかるが)の「天狗」へ。私は「天狗」チェーンを展開するテンアライド・コーポレーションの株主で、半年に一回、一万円分のチケットが送られてくる。株価は低迷していて、一〇〇〇株で四〇万円を切っているから、…

ホッピーの南限と北限は?

東京で生まれ、長い間、ほぼ東京近辺だけで飲まれてきたホッピーが、最近は全国へと広がりを見せている。先日、金沢の「やまや」でもホッピーを売っているのを発見。訳あって、居酒屋のホッピー事情は確認できなかったが、酒販店で売るくらいだから、飲食店…

「灯串坊」で飲む「釈云麦」

夜、原稿をもって「灯串坊」へ。推敲しながら、串焼きを食べ、焼酎をいただく。塩の串焼きは、右から順に、シロ、タン、カシラ。相変わらず、旨い。これで九〇円だから、ありがたい。そして焼酎は、福岡の麦焼酎、「釈云麦(じゃくうんばく)」。麦の香りが強…

自家製ジン

ジンとは、スピリッツにジュニパーベリーをつけ込み、もう一度蒸留したもの。だからゴードン・ジンの瓶などをみると、ラベルにジュニパーベリーの絵が描かれている。ところが、これがボンベイサファイヤの瓶になると、さまざまなハーブの絵が描かれていて、…

「天羽乃梅」

先日は四ツ木で下町ハイボールを堪能してきた。この下町ハイボールの多くに使われているエキスが、この「天羽乃梅(てんばのうめ)」である。原料は「砂糖・酸味料・香料・着色料・保存料」とあり、無果汁。そのままなめてみると、思ったほど甘くなく、酸味と…

「いも神」

今日は夜九時まで研究会があり、どこへ行こうか迷ったが、結局は地元・経堂の「灯串坊」へ。いつもの通り、カシラを塩で、シロをタレで。酒は、キープしてあった「いも神」。鹿児島県出水の神酒造が作るいも焼酎だが、原料に少量の麦を加え、さらに二年熟成…

「ネップ・モイ」

先日の続きである。歌舞伎町の「清瀧」の後は、タイ料理店に入って食事をした。味は普通で、安くもなかったので、店そのものは紹介しない。紹介したいのは、ここで飲んだベトナムのスピリッツである。アルコール度数は三九・五度。黄色糯米を主原料に、ウイ…