橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「三河屋酒店」

私の住むマンションの向かい、徒歩一〇秒の場所の酒屋である。もともと激安の角打ちをやっていたが、新装開店して、都内でも最強クラスの角打ちに生まれ変わった。何がすごいかというと、日本酒の品揃えと値段である。 写真ではわかりにくいかもしれないが、…

Nippon Craft Beer Festival 2016 in すみだ

二年ぶりに行ってきた。ますます盛況、ますます若い人が多くなった。私など最長老で、年上の人を探しても十指に満たないほど。前売り券が三九〇〇円で、これに試飲のチケットが一〇枚ついてくる。追加のチケットは三〇〇円だから、入場料が九〇〇円というこ…

新著が出版されます。

四月に新著が出版されます。『はじまりの戦後日本: 激変期をさまよう人々』(河出ブックス)です。一九五五年SSM調査データなど、いくつかのデータから、戦前期から戦後初期にかけての人々の移動のようすを追跡することを通じて、戦後日本社会の形成過程…

「やきとん赤尾」

秋元屋系の店がまたできたというので、行ってみることにした。住所は北区だが、JR板橋駅西口を出てすぐの場所なので、板橋のカテゴリーに入れておく。 カウンターだけの店だが、間口がやや広いので、一〇人以上は入れる。やきとんは種類が多く、みゃくもと、…

「雅屋」

駅周辺からの帰りによく通る道に、「YEBISU中ジョッキ198円」という看板のある、チェーン店らしき店がある。別の看板には、有名地酒の名前もいくつか。気になってはいたのだが、この道を通るときはたいがい、飲んだ帰りか食材を買った帰りなので、なかなか入…

「東京バル」の丸真正宗

この日は一仕事が終わったので、思い立って、明るいうちから赤羽へ行くことにする。一軒目は、当然のように「まるます家」。平日の四時過ぎだから、行列というほどではない。三分ほど待って、カウンターいちばん奥の特等席に座ることができた。鯉の洗い、バ…