橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

地酒ブームの到来

「地酒」という言葉は、今ではあまり使われなくなった。全国各地に優れた日本酒を造る小さな酒蔵が数多くあることは、すでに常識化している。名の知れた酒も多いし、蔵元と熱心な酒販店などの努力により、少ないながらも全国的に流通するようになっている。…

「銀座ライオン 銀座七丁目店」

銀座の松坂屋が建て替え工事中である。このため、狭い通りを挟んだ向こう側の、銀座ライオン銀座七丁目ビルの側面がよく見える。一九三四年竣工、菅原栄蔵設計の名建築だが、普段はほぼ正面しかみることがない。こうしてみると、六階の会議室部分に細かい装…

三軒茶屋夕景

三軒茶屋の変貌が著しい。かつては寂れかけていた、ヤミ市に起源をもつ商店街・通称「三角地帯」だが、新規の店がたくさんできて、賑わっている。若者も多い。吉祥寺のハモニカ横丁に続く、ヤミ市飲食店街の復興である。こんな例が、さらにあちこちにできて…

「きくや」

ちょっと必要があって、居酒屋街の写真を撮り歩いている。この日訪れたのは、下北沢と新宿。いずれも、池袋に引っ越してからはご無沙汰が続いている。 下北沢では「さかえ」へ。抜群というわけではないが、安定したもつ焼きの味。大衆的でありながら、どこか…

日本酒フェア2014

今年も池袋のサンシャイン60で開催された日本酒フェア。午後の部に参加してきた。まずは、全国新酒鑑評会受賞酒の公開利き酒会から。開会直後に行ったのだが、会場は長蛇の列で、だいぶ待たされた。会場が狭いのかと思ったら、そんなことはない。広い会場は…

要町「オステリア・ペルノ」

近所にはイタリアンが少ない。ネットで探して、見つけたのがこの店だ。要町の交差点から、徒歩一分くらいのところにある。 メニューに載っているワインは、泡が一種類、白が二種類、赤が四種類。グラスは七〇〇円から一四〇〇円、ボトルは三〇〇〇円から六五…