橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

端田晶『ビールの世界史 こぼれ話』

以前も紹介したことがあるが、著者はサッポロビールでマーケティング、広報などを担当、恵比寿麦酒記念館の館長やCSR部長などを歴任した人物。ビールを中心に酒に関する博識はとどまることを知らず、軽妙な文体もますます完成度を高め、本書でひとつの頂点を…

「三州屋」

この日は、ちょっと用事があって、衆議院会館へ。都心まで来てこのまま帰ることはあるまいと思って、少し考えたあと、神田へ行くことにする。まず立ち寄ったのは、ここ。 都内に三州屋はいくつもあるが、実はこの三州屋は初めて。真ん中にコの字型カウンター…

中目黒「ごっつぁん」

集中講義の二日目が終わったあとは、中目黒へ。まずは有名店の「串八」へ。最初、あまりの喉の渇きに大ジョッキを注文してしまったのが失敗。つい忘れていたのだが、この店は酒三杯と料理三品で一三四〇円という格安の晩酌セットが名物なのである。この場合…

広尾「のぼる」

八月初めは、恒例の聖心女子大学での集中講義。例によって、お行儀のいい女子学生たち相手に、気分良く講義を進める。行儀がいいといっても、ちゃんと聞いているとは限らないのだが。 終わったあとは、当然、飲みに行く。今日入ったのは、この店。何とサッポ…

小坂剛『あの人と「酒都」放浪』

好評だった読売オンラインの連載記事「酒都を歩く」が本になりました。吉田類、太田和彦、吉永みち子さんたちとともに、私も登場しています。なぜか、なぎら健壱さんとともに、巻末の「郷愁の町・東京」のセクションです。カラーのページが多く286ページで88…

会津東山温泉「新滝」

大河ドラマが評判ということもあり、一泊二日で会津へ。福島県は何度か行っているが、いずれも仕事で郡山と福島市へ行っただけ。会津は今回が初めてでだ。 泊まった宿が、ここ。夕食は「遊仙」という館内のレストランでいただく。「創作会津伝統郷土料理」と…