橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

キリン「アイスプラスビール」

もう一軒入ったのだが、店そのものはどうということがないので、飲んだ酒を紹介。キリンの新製品、「アイスプラスビール」である。 日本では、どういうわけかエールが商品として定着しない。近年(といっても二〇年ほど前になるか)でもサッポロやアサヒが商品…

「小池」

何か面白そうな店はないかと池袋の東口界隈を歩いていて、見つけたのがこの店。新しい店だ。レトロ風味におじさん色を追加し、店頭の貼り紙には「生ビール・サワー・ハイボール100円」そして「学生さんお断り」の文字。これは入ってみないわけにはいかない。…

上野「海鮮昌屋」

今日は東大工学部でヤミ市研究会。原稿がかなり揃ってきた。 恒例の「現地調査」は、雨ということもあり、近場の上野へ。「大統領」に入りたがったが、超満員。店を物色していると、呼び込みのお兄ちゃんに声をかけられる。海鮮居酒屋で日本酒がいろいろあり…

両国「吟」

今日は、必要があって深川あたりを歩く。終点は両国。六時過ぎ、あらかじめ探しておいて入ったのが、この店。 喫茶店だった場所を居抜きで使っているらしく、煉瓦で飾った外装も、カウンターに小テーブルがいくつかという店内の内装も、およそ日本酒の店らし…

「九州屋」

仕事のあと、新宿へ。新宿三丁目界隈を物色するが、なかなかこれはという店が見つからない。どうもこのあたりは、私と波長が合わないのか、続けて通う気になる店が見つからない。某チェーン系もつ焼き屋はあいかわらず満員盛況だが、秋元屋系を愛するものと…

『銀座と戦争』 炎上するキリンビヤホール

今日の銀座を、というより東京を代表するビヤホールは、銀座ライオン銀座七丁目店である。ここはもともと大日本麦酒の本社ビルで、その一階がビヤホールになったものである。完成したのは一九三四年で、設計者は菅原栄蔵。現在の建物は当時のままで、昭和初…

「バル・デ・リコ」

次に入ったのは、この店。何度か前を通ったことはあり、店構えから何となく輸入ビールを出すビアレストランかと思っていたが、実はスペイン風バルだった。 ボトルで一五〇〇−三〇〇〇円ほどのワインが約三〇種類。産地はスペインが三分の一で、他はいろいろ…

「ずぼら」

二軒目を求めて美久仁小路へ。どこにしようかと少し考えて、この店へ。美久仁小路の、駅とは反対側の端にある。建坪は狭いが、二階もあるのでけっこう人数は入れそうだ。 この店の特徴は、魚が美味く、種類も多く、しかも安いこと。とくに刺身は、一〇種類以…

「おまた」

池袋には、昔から日本酒の美味い店が多い。その発端とされるのは、かつて池袋にあった地酒専門の酒販店「甲州屋児玉商店」である。主人の児玉光久が、酒蔵をめぐっては良酒を発掘し、また酒蔵を育てた。その酒を出す店が池袋に現れ、こうして池袋は日本酒の…

沼袋「沼袋バルkadoccino023」

仕事のあと、もつ焼きを食べに「たつや」へ寄る。帰りに見かけて入ったのが、この店。五月にオープンしたばかりらしい。 名前の通り、ちょっとスペイン風にイタリアンを加味したようなバルである。グラスとカラフェ(スパークリングの場合はボトル)を選べるワ…