橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「木こり」

経堂まで戻り、もう一軒。この店、ふだんは東京農大生のたまり場のようなところがあり、敬遠しがちなのだが、春休みの今日はひっそりしている。実は日本酒の穴場である。東京農大の醸造科学科には全国から蔵元の後継者たちが集まっている。この店の常連とな…

大山「鏑屋」

せっかく大山まで来たので、もう一軒。私は初めてだが、けっこう評判のいい店らしい。左側にカウンター席、右側にテーブル席があり、三五人ほど入れるだろうか。 「ひなた」でだいぶ食べていたので、料理はもつ煮込みだけにしたが、これが土鍋に白味噌仕立て…

大山「やきとんひなた」

以前から紹介している上板橋の「やきとんひなた」に、二号店ができた。場所は、三駅離れた大山で、南口からハッピーロードのアーケード通りと反対側に出て、二本目を右に曲がったところ。立ち上げの一時期、上板橋店はお休みとのことで、店長もこちらにいた…

本郷「棲鳳閣」

今日は、東京大学の社会科学研究所で研究発表会。ほとんど身内の集まりだが、何とか形になった。その懇親会の会場が、ここ。 店の看板は「中華料理&ジビエ料理」。つまりは、鹿肉を使った中華料理が名物の中華料理店である。その内容はというと、鹿肉の黒胡…

盛りこぼしは止めよう

経堂のある居酒屋に入った。日本酒を注文すると、写真のように薄くて小さな皿に小さなグラスを載せて持ってくる。その場で一升瓶から酒を注ぎ、そのまま盛りこぼすと、テーブルにまで酒があふれた。店員は何も言わず、平然と戻っていく。そもそも五勺程度し…

『古典酒場』vol.11

vol.11が出ました。メインの特集は『絆〜KIZUNA〜酒場』で、親子の絆、師弟の絆、店主と客の絆などをテーマに、またまた数多くの新店を紹介しています。とくに、秋元屋系の店を総ざらいした記事は必読。恒例の座談会は、先日紹介した西荻窪の「よね田」での…

江古田「まんま家」

大学で仕事のあと、いつもと違う道から帰ることにする。案の定、新しい店が見つかった。店先に、一升瓶がたくさん飾ってある。焼酎の瓶を飾る店はよくあるが、筋のいい日本酒も。これは、期待できそうだ。 まずはビール、そして小女子唐揚げをいただく。東京…

方南町「野方屋」

思い出横丁「野方屋」の壁に、店の写真があった。方南町は行ったことがない場所だが、ちょうどいい機会。行ってみることにする。大学から大江戸線、丸ノ内線と乗り換え。そもそも、丸ノ内線の分岐線に乗ったのは初めてかもしれない。駅からは、少し距離があ…

思い出横丁「野方屋」

秋元屋から独立した「野方屋」、高円寺店へは何度か行っているが、何と思い出横丁に出店した。これは、入らないわけにはいかない。カウンターに六席、小柄な人なら四人入れるかもという小さなテーブルがひとつ。この小さな店を、以前は高円寺店にいた店長と…

西荻窪「戎」

三軒目をいろいろ物色したが、小さな店はみんな満員。結局、ここにした。それでもかなり満員に近く、通りに面した変形カウンターに並ぶ。皆さん、もうかなり飲んでいるので、ピッチは遅めでまったりした雰囲気。こんな時は、サッポロラガーを小さなグラスで…