橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

有楽町「南部家」

震災の被害の大きかった岩手・宮城・福島関係の居酒屋を探している。東北では山形・秋田・青森関係の居酒屋はけっこう多いのだが、岩手・宮城・福島関係は少ない。しかも、恵比寿の「いはとーぶ」、四谷の「會津やまっちゃん」は、震災の影響で閉店してしま…

「つるかめ食堂」現況

思い出横丁の名店「つるかめ食堂」だが、少しずつ動きがある。四月一三日現在の状況は、この通り。不思議な工事の進み方である。ガードが堅く、中の様子は分からない。(2011.4.13)

五反田「ばん」

祐天寺にあるもつ焼きの名店「ばん」の、暖簾分けのような形で五年前にできたのが、この店。「ばん」伝統のレモンサワーはもちろん、とんび豆腐など、メニューには共通のところが多いが、もつ焼の種類はこちらの方が豊富で、きくあぶら、なんやわなど、珍し…

高円寺「関根精肉店」

仕事の帰り、高円寺でちょっと飲むことになって、駅の当たりを歩いていて、見つけて入ったのがこの店。店構えと内装は、見るからにという感じだが、エー・ピー カンパニーが浜倉的商店製作所の浜倉好宣の協力を得て展開するチェーンである。 最初に「肉刺し …

『嗜み』第10号

明日19日に最新号が発売されます。連載している『全国居酒屋ほろ酔い考現学』は、岡山・倉敷篇。岡山市の「美魚味」「成田家本店」「下津井港」「さかばやし」「吉備土手下麦酒」、倉敷の「新粋」「しんすけ」の七軒を紹介しています。 他の記事の主だったと…

『古典酒場』第10号

第10号が出ました。内容はますます充実。今回は横丁特集で、藤木TDCさんが実にいい味を出しています。ブロガー座談会は、私も参加する予定だったのですが、震災のごたごたで参加できず、居酒屋リストのみの参加となっています。古典酒場 Vol.10 達人に学ぶ横…

六本木「三州屋」

六本木に三州屋があることは知っていたが、まだ入ったことがなかった。今日はたまたま六本木へ出かけることになったので、入ってみることにする。ビルの建て替えで移転し、三年ほど前に再開した小さな店である。 六本木の繁華街から少し外れた、ちょっと暗い…

花見 in 砧公園

砧公園は、世田谷区では駒沢公園と並ぶ主要な公園である。いちばん近い駅は東急線の用賀で、ここからだと歩いて一〇分少々。小田急線だと千歳船橋と祖師ヶ谷大蔵がほぼ同じくらいの距離で、歩くと二五分くらいかかる。もとは都営のゴルフ場だったとのことで…

被災地岩手から「お花見」のお願い 岩手のお酒を飲みましょう

岩手の酒蔵さんから、こんなメッセージが届いています。花見自粛が進んでいますが、自粛しないで岩手のお酒を飲んでください、皆さんが桜の下で楽しく飲んでくれる姿を思い浮かべてお酒を造りますという、女性杜氏さんの訴えが、心に響きます。他にも、「あ…

湯島「岩手屋本店」

震災のあと、この店がずっと気になっていた。岩手県出身のご主人が営む店で、酒は陸前高田の「酔仙」。食材も現地からいくつか仕入れている。以前通りの営業ができているのか、酒はどうなるのか。今日、時間が取れたので行ってみた。 酔仙は、メインの酒だっ…

西日暮里「喜多八」

今日は、出版社との打ち合せで日暮里へ。まずは名店「豊田屋」で刺身をいただいたあと、西日暮里まで歩いてこの店へ。 西日暮里は、何とも特徴的な地形の場所である。武蔵野台地の東端附近で、北は田端文士村のあった小高い丘、南はやはり谷中霊園の丘陵地だ…