橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

立石「宙」

ここまで来たら、立石にも寄りたい。というわけで、「うちだ」を横目で見て、この店へ。先日の『古典酒場』立石新年会のとき、参加していた蜜柑さんが経営するカフェバーだ。立石も、こういう新しい店がちらほらでき、ますます賑わっているのは喜ばしい。先…

押上「松竹」

浅草からさらに、押上まで歩く。間近で見るスカイツリーは、さすがに大きい。周りには、カメラをもった人々が群がっている。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」では、建設途中の東京タワーのCGが話題になったが、五〇年後になると、この建設途中のスカイツリーが映…

浅草から見る東京スカイツリー

今日は大学で雑用を済ませたあと、久しぶりに下町散策へ。まずは上野駅まで行き、そこから下谷神社前を通って浅草へ。浅草通りから雷門通りに入ったとたん、目の前に建設中の東京スカイツリーが姿をあらわした。もうこんなに大きくなったのか。吾妻橋のたも…

海の幸のトリュフソース

トリュフといえばフランス料理の高級食材で、そう簡単に口に入るものではない。ましてや自宅でとなると、色・形といい大きさといいトリュフチョコレートそっくりなものを、手を尽くし数千円も出して入手し、慎重に調理することになる。ところが一昨年ヨーロ…

『嗜み』2010年春号

ご存じの方は多くないかもしれませんが、日本ペンクラブの編集協力で、文藝春秋が出している雑誌です。文学関係の記事が中心で、平岩弓枝、村山由佳、浅野温子(時代小説が大好きだとか)のインタビュー、阿刀田高、岡田斗司夫などの書斎訪問、立川志らく・田…

「早雲」

今日はずっと家で仕事。こういう日は家で食事をするのが普通だが、妻が友人とフレンチへ行くというので、私は一人で近所へ飲みに行くことに。駅と反対方向なので、これまで入りそびれていたこの店へ行ってみることにした。 店頭のメニューに、而今、王禄、く…

「千草」

もう亡くなったが、かつて東京学芸大学に海老原治善という教育学者がいた。非正統派マルクス主義の教育学者で、日教組ブレーンだった。一九八九年に分裂する前の日教組では、組織のうえでは社会党系が主流派だったが、研究者グループでは共産党系が主流だっ…

美久仁小路「ふくろ」

今日は東大の建築学科で、ヤミ市研究会。今回から明治大学の青井哲人さんと、研究室の院生二人が参加してくれて、研究会らしい人数になった。私から出版企画について説明したあと、地方都市、新宿、吉祥寺についての報告を受け、その後は例によって「実地調…

西新宿「春栄亭」

今日は、東京ユニオン、管理職ユニオンなど、新興の労働組合関係者が集まって組織している「社会的労働運動研究会」に報告を頼まれ、西新宿へ。西新宿といっても、新宿からはかなり遠く、いちばん近い駅は大江戸線の西新宿五丁目だろう。『「格差」の戦後史…

浜田信郎監修『もつマニア』

おなじみ浜田信郎さん監修で、多くの居酒屋通が協力し、出版社の編集者やライターの取材も加えて、もつ居酒屋専門のガイドブックが堂々完成。巻末の地図を除きオールカラーで、写真満載の一九一ページ。これを片手に都内を回れば、もつ居酒屋通になれること…

湯島「岩手屋本店」

三軒目にして、今宵のいちばん大切な目的地は、ここ。どういうわけか、これまで紹介していなかったが、湯島の名店。千代田線の湯島駅から上野広小路に向かって通りの右側をしばらく歩き、二本目の路地を右に曲がったところにある。もう一軒、路地を奥まで進…

アメ横「串揚げじゅらく」

線路に沿って上野駅方向へ少し歩くと、「串揚げ」の文字が見えた。昨年夏にできた新しい店で、聚楽グループの経営とのこと。メニューにホッピーが載っていたので、試しに入ってみることにする。 ホッピーはセットが三九〇円で、中一七〇円、外二二〇円。中と…

アメ横「大統領」

今日は久しぶりに何も予定がない日だったので、思い立って上野の国立博物館へ、長谷川等伯展を見に行く。能登にいた頃の作品から晩年の傑作まで、これ以上は不可能というくらい作品を集めた企画。作風の多彩さにも驚く。松林図屏風の前は、明らかに空気が違…

立石「二毛作」

三軒目は、仲見世商店街にあるこの店。おでんがメインの店だが、洋風メニューもあり、酒も焼酎・日本酒に加えて、ギネス、バスペールエール、スコッチが数種類、カクテル十数種類など揃っていて、まさに多国籍型。昼過ぎからやっているので、いろんな目的に…

立石「串揚げ100円ショップ」

次に向かったのは、以前もほぼ同じメンバーで来たことがある、この店。串揚げが一〇〇円均一という激安店。串揚げは種類が多く、たいがいのものは揃っていて、酎ハイ類も二五〇円からと安い。立石駅の南口に出て、線路沿いを青砥方向に少し歩いた場所にある…

『古典酒場』新年会in立石

今日は『古典酒場』の新年会で、立石へ。この新年会は、最近、三栄書房を辞めて自分のオフィスをもった倉嶋編集長の独立祝いを兼ねたもので、当然、企画は「酔わせて下町」の藤原さん。集まったのは、浜田さん、余語さん、やなちゃんなど。まずは、「呑んべ…

Living & Dining Bar 「DNA」

今日は、三年前の卒業生が同窓会をするというので、新宿へ。場所は野村ビルの四九階にある、このダイニングバー。個室を二時間半借りて四五〇〇円だから、安いといえば安いが、学生時代には考えられなかった場所だ。ようやくこいつらも、こんな場所で宴会を…

カフェバー「410>kyodo」からみる経堂駅前ビル工事現場

経堂限定の、ローカルな話題です。 帰り道、経堂駅の近くに最近できたカフェバーに寄ってみることにした。全品410円均一で、ビールやウイスキーなどをいただく。この店、経堂住民は行ってみる価値がある。経堂駅前ビルの建設現場を一望することができるから…

中板橋「やきとん万備」

先日行った上板橋の「やきとん ひなた」と同様、野方の「秋元屋」から独立した人が営む、やきとん中心の居酒屋。カウンターが六席ほどと、四人掛けテーブルが三つ。奥には座敷があるが、これは店の奥に居間があるという、古い商店の造りだろう。 基本のメニ…